
最近、ウェブ上で読めるショートストーリーやエッセイにはまっています。
今回は、一穂ミチさんの『回転晩餐会』についての感想をお話ししたいと思います。
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Contents
作品のあらすじ
回転レストランに長年勤めている”私”が、40年以上も通っている、常連客の老夫婦と交流する話。
彼らはとても穏やかで、お互いを思いやっている様子がうかがえるため、従業員たちから人気がある客だった。
毎年決まった日に訪れていることから、何かの記念日だと考察した”私”は、ある年の来店時にサプライズのデザートプレートを提供した。
老夫婦は感動し、感謝していたが、翌年旦那さんの姿がなかった。
残念ながら亡くなってしまったとのこと。
衝撃を受ける”私”だったが、さらに驚くべき事実に遭遇する。
それは、彼らが”夫婦”ではなく赤の他人だったということだ。
感想
この作品のキャッチコピーに「最初と最後で印象が変わる」というような、うたい文句がありました。
わたしはラストのどんでん返しや、謎めいているストーリーが好きなので、興味を持ちました。
作品のあらすじでもお伝えしましたが、常連客は”仲睦まじい老夫婦”として描かれているため、なんの疑いもなく読み進めていました。
しかし、物語の後半で事実を話し始める女性に、とても驚かされました。
彼らは、飛行機事故で唯一生き残った人間だということでした。
毎年、墜落現場が見える回転レストランへ来ていたのです。
この物語を読んで、わたしは”人は見かけで判断できない”ということを実感しました。
とても元気そうにしている方が、実は大きな病気を抱えているかもしれません。
結局、人は表面でしか物事を捉えられないということです。
たしかに、情報量が少ないですし、考察せざるを得ないので、予想が外れることが悪いことだとは思いません。
ただ、実生活に置き換えたときに、その人の本質を見ようとしなかったり偏見を持ってしまうことは、いけないことだと思います。
この作品は「老夫婦と思っていた常連客が、実は飛行機事故の生存者だった」というストーリーですが、人間の本質を見ようというメッセージが込められているように感じました。
(これは個人的な意見なので、作者の意図ではないかもしれませんが……)
まとめ
わたしは小さいころから本が好きで、よく読んできました。
本を読むことがすべてではありませんが、少なくとも今まで読んできた作品によって、自分が成長したり考えを改めた経験があります。
それは、ノンフィクションでも、フィクションでも同じです。
また、本に出てくる難しい言葉の意味や、漢字の読み方を調べて習得することで、表現の幅が広がります。
他の作品を読むときや、会話でも役立ちます。
これからも、色々な作品を読んでいきたいと思います!