
皆さんは「校正」と聞いて何を想像されるでしょうか?
文章の誤記を訂正することでしょうか?確かにこれも「校正」ですね。
しかし今回紹介するのは計測器における「校正」です。
身近な言葉で言うと英語の「キャリブレーション」ですね。
では「キャリブレーション」について詳しく説明できる方はごく僅かではないかと思います。
今回は知っておくとちょっと役立つかもしれない豆知識を伝授していきます!
Contents
「校正」とは何?
校正(キャリブレーション)とは簡単に書くと、
「計測器に要求される精度に対して、精度がどれくらいズレているのかを確認する作業」です。
この確認には『標準器』と呼ばれる、より精度の高い計測器を使って行います。
例えば精度が±3%の温度計を校正するとなると、±1%の精度を持つ温度計を使って室温を測定するというイメージです。
今回校正したい±3%の温度計が25℃をさす時、『標準器』が25℃を指していれば誤差は0です。
±3%なので25℃の時は±0.75℃まで許容可能(25×0.03=0.75)です。
画像ではどちらの温度計もピッタリ25℃を指していますが、もし左側の温度計が24.25~25.75℃以内で無ければ、
±3%の精度を持つ温度計としては効果を成していない=不合格品ということになります!
「調整」とは何?
よくあるのが「校正」と「調整」って何が違うの?という話です。
「校正(キャリブレーション)」は先ほど書いた通り「標準器との差を確認して計測器が持つ精度に入っているか否かを判定する作業」です。
「調整(アジャストメント)」は要求したい精度から外れていた場合、その誤差を調整することを指します。
「調整」を行うなら必ず計測データを取っておこう
一度「調整」を行うと、そもそもどれくらい外れていたから「調整」を行ったのかはさかのぼって調べることが出来ません。
例えばあなたがラーメン屋の店主だとして、スープの味見を定期的に行うとします。
この味見が「校正」で、店主による味の加減が『標準器』という位置づけです。
何かおかしい!と思って塩や味噌を足すことが『調整』だとすると、どれくらい調整を行うのかはラーメン屋では「感覚」なのかもしれませんが、
計測器業界では正確に数ミクロン単位で調整を行う必要があります。
なので『調整』する前のデータというのは非常に重要です!
また、調整を行うということはラーメン屋で例えると『味が薄い状態のラーメン』をお客様に提供してしまったことと同じです。
「校正」と「調整」の違いについてまとめ
ここでまとめです。
ここでは「合格」か「不合格」のどちらかを判断するのみです。