
妊娠が成立するとほとんどの方がつわりを経験しますが、症状や重さは人それぞれです。
つわりがほとんどない方、気持ち悪いけれどなんとか耐えられるという方、水も飲めず入院するほど重症化してしまう方まで様々です。
今回はそんなつわりの種類についてまとめてみました。(私の実体験もお伝えします)
ご自身のつわりが何なのか当てはめながらご覧ください。
Contents
つわりはいつから始まるの?
大体妊娠5週~16週の間に起こる方が多いです。
早い方だと4週頃からつわりを感じることも。
胎盤が完成する16週頃になればつわりが治まるといわれていますが、産む直前まで長引く方もいるのでつわりは個人差が大きいです。
第一子と第二子でつわりの症状や期間が異なることもあるので、あくまで参考程度と捉えましょう。
つわりの種類
①吐きつわり
文字通り吐いてしまうつわりです。
食べても食べなくても吐いてしまうので、水分がまったく取れなくなり妊娠悪阻で入院することも。
病院によっては妊婦さん用の吐き気止めや漢方が処方されますが、それすら吐いてしまうことがあるので薬にも頼れません。
点滴をすると症状が改善されることが多いですが、定期的に通院したり入院する必要があるので家が遠いと移動だけで疲れ果ててしまいそうです。
中には仕事や育児で時間が取れないという方もいらっしゃいます。
吐きづわりは肉体的にも精神的にもダメージが大きいですよね。
会社勤めの方は通勤中や勤務中も吐き気と戦わなければならないので、無理せず休職も視野に入れることをおすすめします。
私はつわり期間中に幸い吐くことはありませんでしたが、1日に何度も胃液がこみあげてきてその度に飲み込んでいました。
元々嘔吐恐怖症なので吐かないようにかなり神経を使っていたんだと思います。
また、1度吐いてしまうとそれ以降吐きやすくなると聞いていたので、必死に抑え込むようにしていました。
②食べつわり
空腹時に強い吐き気を感じるつわりです。
吐きづわりと異なり食べものを口にできる方が多いですが、何でもかんでも食べられるわけではありません。
「マックのポテトしか食べられない!」
「ゼリー飲料だけで生きてる」
という方もいらっしゃいます。
それに食べづわりは食べたら気持ち悪さが治まるわけではなく、食後により吐き気が増すことがあります。
食べている瞬間だけは少し落ち着きますが食べ終わると地獄が待っています。
妊娠初期の食事は栄養バランスよりもとにかく口にできるかどうかが重要です。
バランスは気にせず食べられそうなものを食べましょう。
それから一度にたくさん食べるのではなく、空腹・満腹を感じないように1~2時間に1回のペースで少しずつつ食べるのがおすすめです。
食べつわりといえど食べすぎると吐いてしまうこともあるので注意してください。
私は食べつわりがメインでしたが、数分単位で食べられるものがコロコロ変わるので冷蔵庫の中は常にパンパンでした。
せっかく買ってきてもらっても目の前にすると食べられなくなることが多いので、結局夫に食べてもらうことに。
これはいける!と思っても食べすぎると飽きて気持ち悪くなるんです。
「空腹なのに食べられるものがない」という未知の状況が本当にきつかったです。
③においつわり
いままで気にならなかったにおいが強烈に感じたり、臭く感じてしまうつわりです。
料理、部屋、人、洗剤や柔軟剤など、あらゆるにおいが吐き気を誘発するようになります。
わたしはにおいつわりが酷く、常に鼻にティッシュを詰めたうえでマスク生活をしていました。(マスクのにおいすらきついので……)
それから家中の洗剤を無香料に変えたり、料理ができないので食事はテイクアウトや冷凍食品が中心になりました。
しかし、においは完全にはシャットダウンできないので、突然においを感じて「うっ」とえずいてしまうのがつらかったです。
本当ににおいが無理だったので、検診以外ではまったく外に出ませんでしたが検診の行き帰りは地獄でした。
外に出ると人の香水、柔軟剤、体臭、飲食店から漂う料理のにおいなどは避けられないので口呼吸をしていました。
それでも気持ち悪くてマスクの上からハンカチで抑えるなどして耐えましたが、口呼吸でも口から臭いが入ってくるので本当に辛かったです。
においつわりで通勤されている妊婦さんは本当にすごいと思います。
④眠りつわり
毎晩しっかり眠っているのに、日中抗えない眠気に襲われるつわりです。
他のつわりと比べたら眠いだけなんだから楽なんじゃないの?と思われがちですが、眠れない状況で眠気を耐えるのはかなり辛いです。
好きな時に好きなだけ眠れる環境なら最高ですが、仕事や家事でそうはいかないという方も多いです。
仕事中に眠ってしまい不真面目だと勘違いされてしまったり、自転車や車の運転で事故を起こしてしまう可能性もあります。
また眠りづわりは頭痛や腰痛を併発することがあります。
そんな時は決して自己判断で痛み止めや湿布を使わないようにしましょう。
普段は大丈夫でも妊婦さんには禁忌の薬が存在するので、使用する前に必ず産院に相談しましょう。
⑤よだれつわり
自分の唾が飲み込めなくなるつわりです。
よだれが大量すぎて飲み込むのが気持ち悪くなってしまったり、口の中が苦く感じたりします。
よだれづわりの妊婦さんは空のペットボトルを持ち歩いてそこに唾を吐き出す方が多いです。
特に夜間などは毎回ティッシュに吐き出したり洗面台に移動するのは面倒ですよね。
SNSでは毎日1.5ℓも吐き出しているという方がいらっしゃって、かなり驚きました。
わたしはよだれつわりはありませんでしたが、口の中が苦く感じたりのどにスーパーボールが詰まっているような圧迫感を感じていました。
これは”のどつわり”とも呼ばれるそうです。
あとは毎日お腹を下してしまう”下痢つわり”も体験しました。
妊婦さんはホルモンの影響で便秘になりやすいと聞いていましたが、元々お腹を壊しやすい体質ということもあってか毎日ゴロゴロ状態でした。
こうして細かく症状を見ていくと、まだまだいろんなつわりがありそうですね。
経験するつわりはひとつだけじゃない
さきほどお伝えした5つのつわりですが、一度の妊娠で1つのつわりだけを経験するというわけではありません。
吐きづわりと眠りづわりが同時に来たり、中には全てのつわりを網羅される方も……。
私も「食べつわり」「においつわり」「のどつわり」「下痢つわり」などの症状が一度に襲い掛かって来ました。
ひとつだけでも大変なのに2つ3つと増えていくのは過酷ですよね。
よく「つわりは病気じゃないから」という人がいますが、本人にとっては本当に辛いことです。
「赤ちゃんが元気な証拠だよ」「お母さんになるんだからがんばって」という言葉には申し訳ないですが嫌気がさします。
辛い時は我慢せずに「辛い!!!」と声に出して周りに頼りましょう。
時間帯によって変わる?
寝起きが一番辛い人もいれば、夕方から悪化する方もいます。
もちろん1日中ずっと辛い方もいらっしゃいますよね。
もし少しでもマシだと思える時間帯があるなら、その間に用事を済ませましょう。
例えばお風呂に入ることをおすすめします。
お風呂に入ると血流がよくなり余計具合が悪くなりやすいので、なるべくつわりがマシな時間帯に済ませるのがいいです。
つわりが酷い時にはお風呂に入れないこともあるので、もし朝が楽だという方は起きたらすぐに入る習慣をつけるのがおすすめです。
日中お風呂に入るというのは仕事などがある方にとっては難しいですが、時間に融通が利く方はぜひお試しください。
入る時の個人的なコツ?は飴を舐めながら入ることです。(のどに詰まらないようにお気をつけください)
私は食べつわりで口の中に何か入っていないと吐きそうになっていたので、飴にはかなり助けられました。
お風呂だけではなく常に舐めていたので上あごや舌が切れたりしましたが、それでもやめられなかったです。
まとめ
つわりは個人差が大きい症状です。
よく妊婦さん向けの雑誌やインターネットの記事などで「つわりは必ず終わりがきます!赤ちゃんが成長している証だと思ってがんばりましょう」という文章を目にしますが、あれってつわり真っただ中の妊婦さんからするとイライラしますよね。
つわりがいずれ終わることも、赤ちゃんが成長している証だということも、本人が一番よく分かっています。
それでもつわり中は1分1秒がとてつもなく長く感じて、一瞬でもいいからこの症状から解放されたい。美味しくご飯が食べたい。と突然泣き出しそうになってしまうんです。
そんな時に欲しい言葉は「もう少しがんばろう!」「つわりは今の時期だけ」「もっと辛い人もいるよ」という言葉ではありません。
「辛いよね」「毎日頑張ってるね」「何か望みはある?」「なんでもわがまま言ってね」
という労りの言葉が欲しいんです。
私の夫は本当に優しくていつでもねぎらいの言葉をかけてくれます。
言葉だけではなく家事もすべてこなしてくれたので、つわり中の約2か月間はただひたすら寝ているだけでした。
そのおかげでストレスなく順調に過ごすことができています。
つわりは経験しないと分かりませんし個人差もあります。
人間は自分の考えが基準になってしまうことが多いですが、経験していないことだからこそ相手を思いやる必要があると思います。
身近に妊婦さんがいらっしゃる方は、つわりに対して余計なことは言わずにひたすら寄り添ってください。
そして妊婦さんも気遣いや優しさを感じたら心から感謝をするなど、尊重し合って妊娠生活を乗り切れることを願います。
それでは。